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食卓のメインとなる肉料理は
ちょっと手間をかけても美味しく仕上げたいものですよね。
でも、実際は硬かったりパサついたりして
イメージ通りにならないことも多いもの。
普段よりグレードの高い肉を買っても
上手に調理できるか不安ですよね。
そんな肉料理に苦手意識がある人でも、
下ごしらえの方法さえマスターできれば
柔らかくジューシーに仕上げることができるんです。
高級な肉や専用の調理器具を使えば美味しいのは当たり前。
スーパーで気軽に買える材料といつもの道具で
下ごしらえを始めましょう!
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肉の選び方
下ごしらえ次第で安い肉も美味しくなるとはいえ、
鮮度が低いものでは味も落ちてしまいます。
普段の料理で使うことが多い
牛肉・豚肉・鶏肉の選び方を覚えておきましょう。
<牛肉>
赤身部分のキメが細かく、色が鮮やかなものを選んでください。
鮮度が落ちると黒ずんできます。
脂肪の色は白いほうが良いです。
<豚肉>
赤っぽいピンク色で、表面がみずみずしいものが高鮮度です。
鮮度が落ちると油が水っぽく崩れるので、
赤身と脂身の両方がキメ細かい肉が良いでしょう。
<鶏肉>
鮮度の高い肉はみずみずしくハリがあり、
きれいなピンク色をしています。
皮は黄味がかっていて、毛穴が盛り上がっているものがベター。
どの種類の肉も、トレーを傾けたときに
ドリップ(肉汁)が出ていない
あるいはシートがドリップを吸っていないことがポイントになります。
スーパーの照明は、生鮮食品が美味しそうに見えるように
工夫されているので手に取ってチェックする習慣をつけましょう。
肉が硬くパサついてしまうのはなぜ?
「料理は化学」とよくいわれますが、まさにその通り。
「なぜか硬くなる」にはきちんと原因があり、
それをフォローするための下ごしらえが必要なんです。
原因を理解することが
スッと切れる、ジューシーな肉料理を楽しむための第一歩ですよ!
原因①組織がしっかりしている
動きが多い部位の肉は、筋繊維が発達しているので
もともと硬いものです。
薄切りならあまり食感に影響しませんが
厚みのある肉は硬くなりがち。
かた肉・もも肉は特に下準備をしっかりおこないましょう。
原因②タンパク質が固まる
肉の主成分であるタンパク質には熱で収縮する性質があります。
強火のまま短時間で調理すると硬くなりやすく、
煮込みや余熱調理で時間をかければ柔らかく仕上がります。
原因③ph値が高い
酸性やアルカリ性のレベルをph値といい、
値の低い酸性に近づけると
肉そのもののタンパク質分解酵素が活性化して柔らかくなります。
酸度の高い食品を活用して下ごしらえをすると
繊維がほぐれやすくなり、保水性もアップしますよ。
肉を柔らかくするための下ごしらえ
肉の下ごしらえには、華麗な包丁さばきや特別な道具は必要ありません。
調理を始める時間から逆算して準備できれば、
誰でも簡単に柔らかくしっとりした肉料理を楽しめます。
<浸ける>
肉の繊維をほぐしたり、臭み取りをしたりできる材料は
身近にたくさんあります。
浸けるひと手間で、仕上がりは格段にアップ!
・炭酸
炭酸水・コーラ・ビールなどに10分以上浸けておくと
炭酸水素ナトリウムの影響でタンパク質が溶けて柔らかくなり、
臭み取りにも有効です。
フォークで肉に穴をあけておくと浸透しやすくなります。
・重曹
ふくらし粉や野菜のアク取りとして活躍する重曹も
成分は炭酸水素ナトリウムですので、炭酸水と同様の働きをします。
水400cc・重曹小さじ1・塩小さじ1を混ぜたものに
2時間以上浸け込みましょう。
・牛乳・ヨーグルト
1時間程度つけておくと、繊維が分解されてほぐれやすくなります。
肉のくさみが気になるなら一晩おくとかなり取れるので
においが強いラム肉やレバーにオススメです。
ヨーグルトの乳酸も有効で、塗り込んで30分ほどおけばOKです。
調理するときは牛乳やヨーグルトを拭き取ってくださいね。
・フルーツ・野菜
タンパク質分解酵素であるプロテアーゼの働きによって
しっかり繊維がほぐされます。
南国のフルーツに多くパイナップル・グリーンキウイが定番です。
ほかに玉ねぎ・梨も利用でき、
リンゴに含まれるリンゴ酸も有効です。
浸けすぎると肉がボロボロになってしまうので、
15分くらいを目安にしてください。
すりおろして使った材料はソース作りに活用しましょう。
・はちみつ
塗って30分ほど放置すれば
グルコースとフルクトースが加熱で縮むのを防いでくれます。
保水効果があるので、ささみや胸肉などパサつきやすい肉にピッタリ。
焼く場合はしっかり拭き取らないと焦げやすくなるのでご注意を。
・お酒
お酒は酸度が高いので、ph値調整に適しています。
残っている日本酒やワインがあるなら1時間、
余裕があれば半日ほど浸けておきましょう。
焼酎やブランデーも風味が良くなって高級感が出ます。
・塩麹
30分~1時間浸け込むと、酵素の働きで柔らかく、
塩や糖の働きでジューシーさをキープすることができます。
つけこむ時間が長いと茶色く変色することがありますが、
味や品質には問題ありません。
牛肉・豚肉と比べ、鶏肉は変色が少なめです。
<切る>
筋を切っておくと、加熱したときに縮まりにくくなります。
脂肪と赤身の間にある線維に対して直角に2、3ヶ所切るか
片面全体を格子状に切りましょう。
<叩く>
肉の中心から外側に向かって叩き、繊維を壊します。
ラップの上から、マグカップやビンの底を使って叩いてください。
<室温に戻す>
冷えたままの肉を焼こうとすると
表面と内部の温度差が大きく、外が焼き過ぎになりがち。
冷蔵庫から出して30分程度おいておきましょう。
肉の表面に水分が浮き出てくるので
キッチンペーパーで押さえて取ってください。
塩が染み込みやすくなり、油はねも防げます。
<調味する>
塩を振るタイミングが早すぎると、
浸透圧の作用で水分が抜けて硬くなってしまいます。
直前に振ると表面のタンパク質が早く固まり、
旨味を閉じこめることができます。
調理のポイント
下ごしらえが出来たら、いよいよ加熱調理です。
火加減や加熱時間は仕上がりを大きく左右するので
コツを覚えておきましょう。
<焼く>
厚めの肉を焼く場合、最初の30秒ほどは強火、
後は中火にして待ちましょう。
横から見て、厚さの1/3の色が変わったらひっくり返します。
返したらアルミホイルで軽くフタをして
強火で30秒、その後は弱火と中火の中間で焼きましょう。
肉の油・旨味を逃がさないために、
ひっくり返すとき以外は肉を動かさないようにしてくださいね。
<ゆでる>
かたまり肉をゆでる場合、低温からゆっくり熱を入れるのが
柔らかく仕上げるポイントです。
水から中火でゆで、沸騰したら弱火に変えます。
一度表面を軽く焼いておくと旨味を閉じこめておけますよ。
<余熱調理>
早めに火から下ろして
煮込み料理なら鍋ごとタオルで包む、
焼き料理ならアルミホイルで包むなどして
余熱を利用すると火の通り過ぎで硬くなるのを防げます。
ガス代の節約にもなって一石二鳥!
<カットする>
せっかく上手に調理できた肉も、
調理後すぐにカットしてしまうと旨味が流れ出てしまいます。
10分ほど休ませてから切るのが理想ですよ。
まとめ
肉を料理したときに硬さやパサつきが出てしまうのには
タンパク質の性質に原因があります。
下ごしらえで酵素の力を借りたりph調整したりすれば、
いつもの肉もまるで別物のように仕上がりますよ。
肉の選び方・下ごしらえ・加熱方法のポイントを覚えて
美味しさを存分に引き出してくださいね!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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